
ケロイド・肥厚性瘢痕の違いと原因|傷跡の盛り上がりが気になる方へ形成外科での最新治療法
秋は七五三や結婚式など、大切なイベントが増える季節です。ドレスや着物を着る機会に「首元や肩の傷跡が目立つのが気になる」「昔の手術痕が盛り上がっていて隠したい」というお悩みで受診される方が増えています。
傷跡が赤く盛り上がる症状には「ケロイド」と「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」の2種類があり、見た目は似ていても原因や治療法が異なります。今回は、この2つの違いと、形成外科で行われている最新の治療法についてわかりやすく解説します。
ケロイドと肥厚性瘢痕の違いとは?
どちらも傷が治る過程で皮膚が過剰に盛り上がってしまう状態ですが、以下のような違いがあります。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)の特徴
- 傷の範囲内で盛り上がる
- 時間の経過とともに(半年〜数年で)自然に平らになることが多い
- 赤みやかゆみを伴うことがある
- やけど、手術痕、深い切り傷などの後にできやすい
ケロイドの特徴
- 元の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚にも広がる
- 自然には改善しにくく、放置すると大きくなることがある
- 痛みやかゆみが強いことが多い
- ニキビ痕、ピアス穴、BCG注射痕、帝王切開の傷などにできやすい
- 体質的になりやすい方がいる(ケロイド体質)
見た目だけでは判断が難しいことも多いため、正確な診断には形成外科専門医の診察が必要です。
なぜ傷跡が盛り上がるの?原因とできやすい部位
盛り上がる原因
傷が治るとき、体は「コラーゲン」というタンパク質を作って皮膚を修復します。通常はこの修復作用が適度なところで止まりますが、過剰にコラーゲンが作られ続けると、傷跡が盛り上がってしまいます。
なぜ過剰になるのか、詳しいメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。
- 体質:家族にケロイド体質の方がいると、なりやすい傾向があります
- 傷への刺激:関節など動きの多い部位、衣服でこすれる部位は悪化しやすい
- 傷の深さ・治り方:深い傷や、感染を起こした傷はリスクが高まります
- ホルモンの影響:思春期や妊娠中に悪化することがあります
できやすい部位
特に以下の部位は、皮膚に張力(引っ張られる力)がかかりやすく、ケロイドや肥厚性瘢痕ができやすいとされています。
- 胸の中央(前胸部):心臓手術の痕などに多い
- 肩:BCG注射痕、ニキビ痕
- 耳たぶ:ピアス穴
- 下腹部:帝王切開の傷跡
- 上腕・背中
形成外科での治療法〜症状に合わせた選択肢〜
ケロイドや肥厚性瘢痕の治療は、症状の程度や部位、患者さんのご希望によって最適な方法を選択します。形成外科では、以下のような治療を行っています。
1. 保存的治療(まずはこちらから始めることが多いです)
◎ステロイド注射(ケナコルト注射)
盛り上がった部分に直接ステロイド薬を注射し、コラーゲンの過剰な産生を抑えます。月1回程度、数回の治療で平らになっていくことが期待できます。ケロイド治療の基本となる方法です。
◎ステロイドテープ・軟膏
貼り薬や塗り薬で、軽症の場合や注射後の維持療法として使用します。
◎圧迫療法
専用のシリコンシートやテープで傷跡を圧迫し、盛り上がりを抑えます。特に耳たぶのケロイドに効果的です。
2. 内服治療
◎トラニラスト(リザベン)
アレルギー反応を抑える作用があり、ケロイドの成長を抑制する効果があります。他の治療と併用することが多いです。
3. 手術治療
◎ケロイド切除術
大きなケロイドや、他の治療で改善しない場合に検討します。ただし、手術だけでは再発率が高い(50〜100%ともいわれます)ため、術後にステロイド注射や放射線治療を組み合わせることが重要です。
4. 放射線治療(術後照射)
手術後に放射線を照射することで、再発率を大幅に下げることができます(再発率10%以下に抑えられるという報告も)。当院では必要に応じて放射線治療が可能な連携医療機関をご紹介しています。
5. レーザー治療
赤みを改善する目的で、血管を対象としたレーザーを使用することがあります。盛り上がりを完全になくすことは難しいですが、見た目の改善に役立ちます。
治療を始めるタイミング〜秋のイベント前に相談を〜
ケロイドや肥厚性瘢痕の治療は、数ヶ月単位で継続することが多いため、大切なイベントに間に合わせたい場合は早めのご相談がおすすめです。
「まだ気になり始めたばかりだから様子を見よう」と思われる方もいらっしゃいますが、ケロイドは早期に治療を始めた方が改善しやすい傾向があります。また、肥厚性瘢痕も適切なケアで治りを早められることがあります。
以下のような症状がある方は、一度ご受診ください。
- 傷跡が赤く盛り上がっている
- 傷跡がかゆい、痛い、引きつれる感じがある
- ピアス穴や手術痕が大きくなってきた気がする
- 傷跡を目立たなくしたい
形成外科は「傷をきれいに治す」専門です。お一人おひとりの症状や生活スタイルに合わせて、最適な治療プランをご提案いたします。傷跡のお悩みは、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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品川区・目黒区からのアクセスも便利です。
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