
秋の行楽シーズンに注意!マダニ刺咬症の正しい対処法と皮膚科受診のタイミング
紅葉狩りやキャンプなど、秋は自然の中で過ごす機会が増える季節です。しかし、山や森林、草むらなどにはマダニが潜んでおり、知らないうちに刺されてしまうことがあります。マダニは一般的なダニとは異なり、皮膚に長時間食いついて吸血するため、正しい知識がないと危険な感染症を引き起こす可能性があります。今回は、マダニに刺されたときの正しい対処法と、皮膚科を受診すべきタイミングについて詳しくご説明します。
マダニとは?一般的なダニとの違い
家の中にいるダニ(チリダニやイエダニなど)は肉眼では見えないほど小さいですが、マダニは体長2〜3mm程度と目で見える大きさです。吸血すると1cm以上に膨らむこともあります。
マダニは春から秋にかけて活動が活発になり、特に草むら、落ち葉の下、登山道の脇などに生息しています。動物や人が近づくと、服や皮膚に付着し、柔らかい部分(脇の下、足の付け根、耳の後ろなど)を好んで刺します。
刺されても痛みやかゆみを感じにくいのが特徴で、気づかないうちに数日間吸血し続けることもあります。そのため、帰宅後に体をチェックして初めて発見するケースが多いのです。
マダニに刺されたときの正しい除去法
マダニが皮膚に食いついているのを発見したとき、絶対にやってはいけないことがあります。
【やってはいけない除去法】
- 無理に引き抜く
- 指でつまんで取ろうとする
- アルコールや火を近づけて取ろうとする
- ワセリンやマニキュアで窒息させようとする
マダニは皮膚に口器(くちき)という部分を深く差し込んで吸血しています。無理に引き抜くと、口器が皮膚内に残ってしまい、感染症のリスクが高まったり、炎症を起こしたりする原因になります。また、マダニの体を強く押すと、体内の病原体が傷口に押し出される危険性もあります。
【正しい対処法】
マダニを発見したら、できるだけ早く皮膚科を受診してください。医療機関では、専用のピンセットや器具を使って、口器ごと安全にマダニを除去します。自己判断で取り除こうとせず、そのままの状態で受診することが最も安全です。
もし自分で除去する場合は、先の細いピンセットでマダニの頭部(皮膚に近い部分)をしっかりつかみ、まっすぐ垂直にゆっくりと引き抜くことが推奨されます。ただし、この方法でも口器が残る可能性があるため、除去後は必ず皮膚科で確認してもらうことをおすすめします。
マダニが媒介する感染症と注意すべき症状
マダニに刺されることで最も心配なのは、感染症のリスクです。日本で報告されている主なマダニ媒介感染症には以下のものがあります。
【重症熱性血小板減少症候群(SFTS)】
2013年に国内で初めて確認された感染症で、6日〜2週間の潜伏期間の後、発熱、倦怠感、下痢、嘔吐などの症状が現れます。重症化すると命に関わることもあり、特に注意が必要です。
【日本紅斑熱】
刺されてから2〜8日後に高熱、発疹、刺し口の潰瘍(かさぶた)が現れます。早期に適切な抗菌薬治療を行えば回復しますが、放置すると重症化するリスクがあります。
【ライム病】
刺された部位を中心に、特徴的な輪のような赤い発疹(遊走性紅斑)が広がります。関節痛や神経症状を引き起こすこともあります。
【皮膚科を受診すべきタイミング】
- マダニが皮膚に食いついている状態
- マダニを除去した後に口器が残っている可能性がある
- 刺された部位が赤く腫れている、または広がっている
- 刺されてから数日〜2週間以内に発熱、倦怠感、発疹などの症状が出た
これらの症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。診察時には「いつ、どこで刺されたか」を伝えると診断の助けになります。
秋の行楽で実践したいマダニ予防対策
マダニ被害を防ぐためには、野外活動時の予防が重要です。
【服装の工夫】
- 長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を減らす
- 明るい色の服を選ぶ(マダニを発見しやすい)
- ズボンの裾を靴下の中に入れる
- 首元にはタオルやスカーフを巻く
【虫よけ剤の活用】
ディート(DEET)やイカリジン配合の虫よけスプレーは、マダニにも効果があります。肌だけでなく、服や靴にもスプレーしておくとより効果的です。
【帰宅後のチェック】
- 入浴前に全身をくまなくチェックする
- 特に脇の下、足の付け根、耳の後ろ、髪の生え際など柔らかい部分を念入りに確認
- 着用していた服はすぐに洗濯し、乾燥機で高温乾燥する
秋の行楽シーズンは、自然を楽しみながらも適切な予防対策を心がけましょう。万が一マダニに刺されてしまった場合は、自己処置をせず、当院にご相談ください。安全にマダニを除去し、必要に応じて感染症の検査や経過観察を行います。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
武蔵小山駅徒歩1分|皮膚科・形成外科・美容皮膚科
品川区・目黒区からのアクセスも便利です。
https://sakura-hifuka.com
関連記事


