
秋の乾燥・暖房シーズンに悪化しやすい「脂漏性皮膚炎」とは?原因・症状と皮膚科での治療法
「最近、頭皮のフケが増えた」「鼻の横や眉間が赤くなってかゆい」——そんなお悩みを抱えていませんか?秋から冬にかけて、これらの症状で受診される患者さんが増えてきます。もしかすると、それは「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」かもしれません。
今回は、季節の変わり目に悪化しやすいこの皮膚トラブルについて、原因から治療法、日常生活での対策までわかりやすくお伝えします。
脂漏性皮膚炎とは?なぜ秋冬に悪化しやすいの?
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部分に起こる慢性的な皮膚の炎症です。頭皮、顔(特に鼻の横・眉間・耳の後ろ)、胸や背中の中央部などに赤みやかゆみ、フケのような皮むけが現れます。
この皮膚炎の原因として大きく関わっているのが、「マラセチア」という皮膚に常在するカビ(真菌)の一種です。マラセチアは皮脂をエサにして増殖し、その代謝産物が皮膚を刺激することで炎症を引き起こします。
では、なぜ秋冬に症状が悪化しやすいのでしょうか?
- 空気の乾燥:秋になると湿度が急激に下がり、肌のバリア機能が低下します。バリアが弱まると外部刺激に敏感になり、炎症が起きやすくなります。
- 暖房の使用開始:室内の暖房は空気をさらに乾燥させます。また、暖房による温度差で皮脂分泌のバランスが乱れることも原因の一つです。
- 季節の変わり目のストレス・疲労:気温変化への体の適応、仕事や学校の忙しさなどによるストレスや睡眠不足は、皮脂分泌を増加させ、免疫力を低下させます。
つまり、秋冬は「乾燥」「皮脂バランスの乱れ」「免疫力低下」という脂漏性皮膚炎を悪化させる条件が揃いやすい季節なのです。
こんな症状があれば脂漏性皮膚炎かも?セルフチェックポイント
以下の症状に心当たりがある方は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。
【頭皮の症状】
- 細かいフケが肩に落ちて目立つ
- 頭皮がベタつくのにカサカサする
- かゆみがあり、つい掻いてしまう
- シャンプーしても翌日にはフケが出る
【顔の症状】
- 鼻の両脇、眉間、眉毛の中が赤い
- 耳の後ろや耳の中がかゆい、皮がむける
- ヒリヒリした刺激感がある
- 化粧水がしみる
【その他の部位】
- 胸の中央や背中の上部に赤い発疹がある
- わきの下や股の付け根がかゆい
これらの症状が「良くなったり悪くなったりを繰り返す」のも脂漏性皮膚炎の特徴です。市販薬では一時的に改善しても、すぐに再発してしまう方も多くいらっしゃいます。
皮膚科ではどんな治療をするの?
脂漏性皮膚炎は適切な治療を行えば、症状をコントロールすることができます。皮膚科では、症状や部位に合わせて以下のような治療を組み合わせて行います。
1. 抗真菌薬(塗り薬)
原因となるマラセチア菌を抑える塗り薬です。クリームタイプやローションタイプがあり、頭皮用・顔用など部位に合わせて処方します。
2. ステロイド外用薬
炎症やかゆみが強い場合に使用します。「ステロイドは怖い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、医師の指導のもと適切に使用すれば安全です。症状が落ち着いたら徐々に減らしていきます。
3. 抗真菌成分配合シャンプー
頭皮の脂漏性皮膚炎には、抗真菌成分を含む医療用シャンプーが効果的です。正しい洗い方の指導も行います。
4. ビタミン剤の内服
皮脂の分泌を調整するビタミンB2やB6を補うこともあります。
治療で大切なのは、「症状が良くなっても自己判断でやめないこと」です。脂漏性皮膚炎は再発しやすい病気なので、医師と相談しながら徐々に治療を調整していくことが重要です。
日常生活でできる予防・悪化防止のポイント
治療と並行して、毎日の生活習慣を見直すことも症状の改善・再発防止に役立ちます。
【スキンケア】
- 洗顔・シャンプーはゴシゴシ洗わず、優しく丁寧に
- 洗いすぎは逆効果。1日1回を目安に
- 保湿は低刺激なものを選び、こまめに行う
- 顔をこする・掻く癖をやめる
【生活習慣】
- 睡眠を十分にとる(6〜7時間以上が理想)
- バランスの良い食事を心がける(脂っこいもの・甘いものは控えめに)
- ストレスをため込まない(適度な運動やリラックスタイムを)
- アルコール・喫煙は症状を悪化させることがあるため注意
【室内環境】
- 加湿器を使い、室内の湿度を50〜60%に保つ
- 暖房の風が直接肌に当たらないよう工夫する
- こまめな換気で空気をリフレッシュ
おわりに——気になる症状は早めに皮膚科へ
脂漏性皮膚炎は、見た目のストレスも大きく、放置すると症状が長引いてしまうことがあります。「ただのフケ」「乾燥のせい」と思い込まず、気になる症状があれば早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
当院では、お一人おひとりの症状や肌質に合わせた治療法をご提案しています。季節の変わり目で肌トラブルを感じている方、繰り返す症状にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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