
夏のダメージで増える「爪の変形・変色トラブル」の見分け方と皮膚科での正しい診断・治療法
夏が終わり、ふと自分の爪を見て「なんだか色がおかしい」「形が変わってきた気がする」と気づく方が増える季節です。実は、夏の間に受けたさまざまなダメージが、秋になって爪のトラブルとして現れることが少なくありません。
今回は、夏に多い爪の変形・変色トラブルの種類と見分け方、そして皮膚科での正しい診断・治療法について詳しくご説明します。
夏に爪トラブルが増える理由とは?
夏は爪にとって過酷な季節です。以下のような要因が重なり、爪にダメージが蓄積されやすくなります。
【高温多湿による影響】
汗をかきやすい夏は、靴の中が蒸れやすく、水虫(白癬菌)が繁殖しやすい環境になります。足の爪が白癬菌に感染すると「爪白癬(爪水虫)」を引き起こし、爪が白く濁ったり、厚くなったり、ボロボロと崩れやすくなります。
【サンダルや裸足による外傷】
夏はサンダルを履く機会が増え、爪をぶつけたり、重いものを落としたりする事故が起きやすくなります。爪の下に内出血(爪下血腫)ができると、爪が黒や紫に変色することがあります。
【プールや海水の影響】
塩素や海水に長時間さらされると、爪が乾燥してもろくなります。また、公共のプールや温泉では、水虫などの感染症をもらうリスクも高まります。
【ジェルネイルやマニキュア】
夏のイベントに向けてネイルを楽しむ方も多いですが、長期間つけっぱなしにしたり、無理に剥がしたりすると、爪の表面が傷つき、薄くなったり、縦筋ができたりする原因になります。
爪の変色・変形の種類と見分け方
爪の異常にはさまざまな種類があり、それぞれ原因が異なります。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
【白く濁る・厚くなる】
爪白癬(爪水虫)の可能性が高いです。最初は爪の先端から白や黄色に濁り始め、進行すると爪全体が厚くぼろぼろになります。痛みやかゆみがないため放置されがちですが、他の爪や家族にうつることもあるため、早めの治療が大切です。
【黒や茶色に変色】
爪をぶつけた後であれば、爪下血腫(内出血)の可能性があります。通常は爪が伸びるとともに自然に消えていきます。ただし、ぶつけた記憶がないのに黒い縦線ができている場合は、爪のメラノーマ(悪性黒色腫)という皮膚がんの可能性もあるため、必ず皮膚科を受診してください。
【緑色に変色】
緑膿菌という細菌の感染による「グリーンネイル」の可能性があります。ジェルネイルと自爪の間に水分が入り込み、細菌が繁殖することで起こります。抗菌薬での治療が必要です。
【爪が剥がれる・浮く】
爪甲剥離症といい、爪が爪床(爪の下の皮膚)から浮いてしまう状態です。外傷、感染症、甲状腺の病気、接触性皮膚炎など、さまざまな原因で起こります。
【縦筋・横筋ができる】
縦筋は加齢に伴う変化であることが多く、心配のないケースがほとんどです。一方、横筋は過去に高熱を出したり、強いストレスを受けたりしたときに爪の成長が一時的に止まった跡として現れることがあります。
皮膚科での正しい診断と治療法
爪のトラブルは見た目だけでは原因を特定できないことが多いため、皮膚科での正確な診断が重要です。
【診断方法】
爪白癬が疑われる場合は、爪の一部を採取して顕微鏡で白癬菌の有無を確認します。この検査は痛みがなく、その場で結果がわかることがほとんどです。色素性の病変については、ダーモスコピーという拡大鏡を使った検査で詳しく観察します。
【爪白癬の治療】
爪白癬の場合、塗り薬だけでは治りにくいため、飲み薬(抗真菌薬)による治療が基本となります。治療期間は3〜6ヶ月程度かかりますが、根気よく続けることで完治が期待できます。最近では、爪に浸透しやすい新しいタイプの塗り薬も登場しており、飲み薬が使えない方にも治療の選択肢が広がっています。
【グリーンネイルの治療】
感染した爪の部分を切り取り、消毒と抗菌薬の塗り薬で治療します。完治するまではネイルはお休みしていただく必要があります。
【爪下血腫の治療】
軽度であれば経過観察で自然に治ります。爪の下に血液がたまって痛みが強い場合は、爪に小さな穴を開けて血液を抜く処置を行うこともあります。
爪のトラブルを予防するために
爪のトラブルを防ぐためには、日頃からのケアが大切です。
- 足を清潔に保ち、しっかり乾かす習慣をつける
- 通気性の良い靴や靴下を選ぶ
- ジェルネイルは適度な期間で付け替える
- 爪を切るときは深爪を避け、角を丸く整える
- 保湿クリームで爪と周囲の皮膚を保護する
爪の異常は体の内側の病気のサインであることもあります。「たかが爪」と放置せず、気になる症状があれば早めに皮膚科を受診されることをおすすめします。正しい診断と適切な治療で、健康な爪を取り戻しましょう。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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