
夏のレジャーで増える「毛嚢炎(もうのうえん)」の原因と皮膚科での正しい治療法〜ニキビとの見分け方も解説
夏になると、プールや海、キャンプなどアウトドアを楽しむ機会が増えますね。しかし、この季節に皮膚科を受診される方が増える症状の一つが「毛嚢炎(もうのうえん)」です。
「ニキビかと思ったら違った」「なかなか治らない」というご相談も多くいただきます。今回は、毛嚢炎の原因や正しい治療法、そしてニキビとの見分け方について詳しくお伝えします。
毛嚢炎とは?なぜ夏に増えるの?
毛嚢炎とは、毛穴の奥にある「毛包(もうほう)」という部分に細菌が感染して起こる炎症です。赤いブツブツができたり、白い膿を持った吹き出物のように見えることがあります。
主な原因菌は黄色ブドウ球菌で、皮膚の表面に常在している菌ですが、以下のような条件が重なると感染を起こしやすくなります。
【夏に毛嚢炎が増える理由】
- 汗をかきやすい:汗で皮膚がふやけ、細菌が毛穴に入りやすくなる
- プールや海での肌へのダメージ:塩素や塩分で皮膚のバリア機能が低下する
- ムダ毛処理の増加:カミソリ負けや毛抜きによる毛穴への刺激
- 湿度が高い:細菌が繁殖しやすい環境になる
- 汗をかいた水着や衣類を長時間着用:蒸れて菌が増殖する
特に、太ももの内側、お尻、背中、胸元など、汗がたまりやすく摩擦が起きやすい部位に発症しやすいのが特徴です。
ニキビと毛嚢炎の見分け方
「これはニキビ?それとも毛嚢炎?」と迷われる方は多いです。実は、両者は見た目が似ていても原因が異なるため、治療法も変わってきます。
【ニキビの特徴】
- 主に顔にできやすい(おでこ、鼻、あご など)
- 原因はアクネ菌と皮脂の過剰分泌
- 思春期や生理前など、ホルモンバランスの影響を受けやすい
- 白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビなど段階がある
【毛嚢炎の特徴】
- 体のさまざまな部位にできる(太もも、お尻、背中、腕 など)
- 原因は主に黄色ブドウ球菌などの細菌感染
- 毛穴を中心に赤く腫れ、中央に膿を持つことが多い
- カミソリ処理後や汗をかいた後に発症しやすい
- かゆみを伴うこともある
簡単な見分け方として、「顔以外の場所に、毛穴を中心とした赤いブツブツが急にできた」場合は毛嚢炎の可能性が高いと考えられます。ただし、自己判断は難しいことも多いため、気になる場合は皮膚科を受診されることをおすすめします。
皮膚科での正しい治療法
毛嚢炎の治療は、症状の程度によって異なります。皮膚科では、まず患部を診察し、必要に応じて適切な治療を行います。
【軽症の場合】
- 抗菌薬入りの塗り薬:患部に直接塗布して細菌の増殖を抑えます
- 清潔を保ち、刺激を避けることで自然に治ることも多い
【中等症〜重症の場合】
- 抗生物質の内服薬:塗り薬だけでは改善しない場合に処方します
- 切開排膿:膿がたまって腫れがひどい場合は、小さく切開して膿を出す処置を行うことがあります
【繰り返す場合】
- 原因となっている生活習慣の見直し
- ムダ毛処理の方法を変える(カミソリから電気シェーバーへなど)
- 医療レーザー脱毛を検討する方もいらっしゃいます
市販薬で様子を見る方もいらっしゃいますが、症状が広がっている場合や、発熱を伴う場合、1週間以上改善しない場合は、早めに皮膚科を受診してください。
夏の毛嚢炎を予防するポイント
毛嚢炎は、日常生活での心がけで予防することができます。
【予防のための5つのポイント】
- 汗をかいたらこまめにシャワーを浴びる:特にプールや海の後は真水でしっかり洗い流しましょう
- 通気性の良い衣類を選ぶ:綿素材や吸湿速乾素材がおすすめです
- ムダ毛処理は清潔な道具で優しく行う:カミソリは清潔なものを使い、処理後は保湿ケアを
- 濡れた水着や下着は早めに着替える:蒸れた状態を長く続けないことが大切です
- 免疫力を保つ:睡眠不足や疲労は肌のバリア機能を低下させます
夏を快適に過ごすためにも、これらのポイントを意識してみてください。
毛嚢炎は、正しいケアと適切な治療で改善できる症状です。「ただのブツブツ」と放置せず、気になる症状がありましたら、お気軽に皮膚科をご受診ください。当院では、患者さま一人ひとりの症状に合わせた治療をご提案しております。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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