
夏の紫外線ダメージが原因?「日光角化症」の早期発見チェックポイントと治療法
「最近、顔や手の甲にカサカサしたシミのようなものができた」「触るとザラザラしていて、なかなか治らない」——そんな症状に心当たりはありませんか?
それは単なるシミや肌荒れではなく、「日光角化症(にっこうかくかしょう)」という皮膚の病変かもしれません。日光角化症は「前がん病変」とも呼ばれ、放置すると皮膚がんに進行する可能性があるため、早期発見・早期治療がとても大切です。
今回は、夏に蓄積した紫外線ダメージと深く関係する日光角化症について、見つけ方のポイントや皮膚科での治療法をわかりやすく解説します。
日光角化症とは?なぜ「前がん病変」と呼ばれるの?
日光角化症は、長年にわたって紫外線を浴び続けることで、皮膚の細胞に異常が生じてできる病変です。主に顔、頭皮(特に髪の薄い方)、耳、首、手の甲、腕など、日光に当たりやすい部分にできやすいのが特徴です。
「前がん病変」と呼ばれる理由は、放置すると約10〜20%の確率で「有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)」という皮膚がんに進行する可能性があるからです。ただし、早期に適切な治療を行えば、がんへの進行を防ぐことができます。
日光角化症は、60歳以上の方に多く見られますが、若い頃から屋外で過ごす時間が長かった方、色白の方、日焼けしやすい方は、比較的若い年齢でも発症することがあります。夏のレジャーや日常生活で浴びた紫外線のダメージは、何十年もかけて蓄積され、やがてこのような形で現れてくるのです。
こんな症状に注意!日光角化症の早期発見チェックポイント
日光角化症は、初期段階では「ただのシミ」や「乾燥による肌荒れ」と見分けがつきにくいことがあります。以下のチェックポイントを参考に、気になる症状がないか確認してみてください。
【セルフチェックポイント】
- 表面がカサカサ、ザラザラしている
触ると紙やすりのようなざらつきを感じる - 赤みを帯びている、または赤褐色をしている
周囲の肌より赤っぽく、境界がぼんやりしていることも - かさぶたのようなものが繰り返しできる
剥がれてもまた同じ場所にできる - 大きさは数ミリ〜2センチ程度
複数の病変が同時にできることもある - 保湿しても改善しない
何週間たっても治らない、むしろ広がっている - 日光に当たりやすい場所にできている
顔、耳、頭皮、首、手の甲、前腕など
これらの症状に1つでも当てはまる場合は、自己判断せずに皮膚科を受診することをおすすめします。見た目だけでは日光角化症かどうかを判断することは難しいため、専門医による診察が必要です。
皮膚科ではどんな検査・治療を行うの?
皮膚科では、まずダーモスコピーという特殊な拡大鏡を使って病変を詳しく観察します。必要に応じて、皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる「皮膚生検」を行い、確定診断をします。
【主な治療法】
1. 液体窒素による凍結療法
マイナス196度の液体窒素を使って病変を凍らせて取り除く方法です。外来で短時間で行え、最も一般的な治療法の一つです。1〜2週間でかさぶたになり、自然に剥がれ落ちます。病変の数や大きさによっては複数回の治療が必要です。
2. 外用薬(塗り薬)による治療
イミキモドクリームなどの免疫を活性化させる塗り薬や、5-FU軟膏などを使用します。広い範囲に複数の病変がある場合に適しています。数週間にわたって塗布し、異常な細胞を除去します。
3. 外科的切除
病変が大きい場合や、がんへの進行が疑われる場合は、手術で切除することがあります。切除した組織は病理検査に出し、がん細胞がないか詳しく調べます。
4. その他の治療法
光線力学的療法(PDT)やレーザー治療なども、症状や病変の状態に応じて選択されることがあります。
治療法は、病変の数・大きさ・場所、患者さんの年齢や健康状態などを考慮して、最適なものを選択します。
日光角化症を予防するために——今日からできる紫外線対策
日光角化症の最大の原因は、長年にわたる紫外線の蓄積です。これ以上のダメージを防ぐために、以下の紫外線対策を日常的に心がけましょう。
- 日焼け止めを毎日塗る(SPF30以上、PA+++以上がおすすめ)
- 帽子や日傘、長袖の服で肌を守る
- 紫外線が強い時間帯(10時〜14時)の外出を避ける
- 車の運転中も油断しない(窓ガラス越しでもUVAは届きます)
- 曇りの日も紫外線対策を忘れずに
特に、すでに日光角化症と診断された方は、新しい病変ができないよう、より一層の紫外線対策が必要です。また、治療後も定期的な経過観察を受けることをおすすめします。
「たかがシミ」と思っていたものが、実は前がん病変だった——というケースは珍しくありません。気になる症状がある方、日焼けの蓄積が気になる方は、どうぞお早めに皮膚科専門医にご相談ください。早期発見・早期治療で、皮膚がんへの進行を防ぎましょう。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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