
夏に悪化しやすい「乾癬(かんせん)」|紫外線・汗との付き合い方と治療のポイント
「夏になると肌の調子が悪くなる」「汗をかくと赤みやかゆみがひどくなる」——乾癬(かんせん)をお持ちの方から、このようなご相談をいただくことが増える季節になりました。
乾癬は慢性的な皮膚の病気で、赤い発疹の上に銀白色のフケのようなものが付着するのが特徴です。一般的には「紫外線が症状を改善させる」と言われていますが、実は夏場に悪化する方も少なくありません。
今回は、夏の乾癬ケアで気をつけたいポイントと、皮膚科で行う治療法についてわかりやすくご説明します。
乾癬とは?まず知っておきたい基礎知識
乾癬は、皮膚の細胞が通常よりも速いスピードで生まれ変わることで起こる病気です。通常、皮膚の細胞は約1ヶ月かけて入れ替わりますが、乾癬の部分ではわずか数日で新しい細胞が作られてしまいます。
その結果、皮膚が厚くなり、表面に銀白色の「鱗屑(りんせつ)」と呼ばれるフケのようなものが積み重なります。かゆみを伴うことも多く、見た目の問題から精神的なストレスを抱える方も少なくありません。
よくできる場所:
- 頭皮
- ひじ・ひざ
- 腰まわり
- 爪
乾癬は感染する病気ではありません。周囲の方にうつることはありませんので、その点はご安心ください。
夏に乾癬が悪化する3つの原因
「紫外線治療があるくらいだから、夏は良くなるはず」と思われる方も多いでしょう。確かに適度な紫外線は乾癬の改善に役立つことがありますが、夏特有の環境が症状を悪化させることも少なくありません。
【原因1】汗による刺激
汗をかくと、皮膚の表面に塩分や老廃物が残ります。これが乾癬の患部を刺激し、かゆみや赤みを強くすることがあります。また、汗をかいた後に皮膚が乾燥することで、症状が悪化するケースもみられます。
【原因2】強すぎる紫外線
適度な紫外線は乾癬に良い影響を与えることがありますが、真夏の強い日差しは逆効果になることも。日焼けによる皮膚のダメージが炎症を引き起こし、「ケブネル現象」と呼ばれる新たな乾癬の発生につながる可能性があります。
【原因3】エアコンによる乾燥
暑さを避けるためにエアコンの効いた部屋で過ごす時間が長くなると、肌が乾燥しやすくなります。乾癬の患部は特に乾燥に敏感なため、症状の悪化を招くことがあります。
夏の乾癬ケア|日常生活で実践したい5つのコツ
夏を快適に過ごすために、以下のポイントを意識してみてください。
1. 汗はこまめに拭き取る・洗い流す
汗をかいたら、やわらかいタオルでやさしく拭き取りましょう。可能であれば、シャワーで汗を流すのが理想的です。ただし、熱いお湯や強くこすることは避けてください。
2. 日焼け止めを正しく使う
乾癬の患部にも使える、低刺激性の日焼け止めを選びましょう。SPF30程度のものをこまめに塗り直すのがおすすめです。日傘や帽子、長袖の羽織ものを活用するのも効果的です。
3. 保湿を欠かさない
入浴後や汗を流した後は、肌が乾燥しやすいタイミングです。保湿剤をたっぷり塗って、皮膚のバリア機能を守りましょう。ワセリンや尿素配合のクリームなど、肌の状態に合ったものを使いましょう。
4. 通気性の良い服を選ぶ
綿や麻など、汗を吸いやすく通気性の良い素材の服を選びましょう。締め付けの少ない、ゆったりとしたデザインもおすすめです。
5. 室内の湿度を保つ
エアコン使用時は、加湿器を併用したり、濡れタオルを干したりして、室内の乾燥を防ぎましょう。
皮膚科で行う乾癬の治療法
乾癬の治療は、症状の程度や範囲、患者さんのライフスタイルに合わせて選択します。当院では以下の治療法を行っています。
塗り薬(外用療法)
最も基本となる治療法です。ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬を使用します。両方の成分が配合された合剤もあり、1日1回の塗布で済むため続けやすいのが特徴です。
飲み薬(内服療法)
塗り薬だけでは効果が不十分な場合に検討します。免疫の働きを調整するお薬や、皮膚の細胞の増殖を抑えるお薬などがあります。
光線療法(紫外線治療)
特定の波長の紫外線を患部に照射する治療法です。週に1〜2回程度の通院が必要ですが、塗り薬と併用することで効果が高まることがあります。当院では、患部だけに照射できる機器を導入しており、全身への負担を最小限に抑えられます。
注射薬(生物学的製剤)
中等症から重症の方に用いる、比較的新しい治療法です。炎症に関わる特定の物質をピンポイントで抑える働きがあります。当院で対応できない場合は、専門の医療機関へご紹介いたします。
一人で悩まず、まずはご相談ください
乾癬は長く付き合う病気ですが、適切な治療とセルフケアで症状をコントロールすることは十分に可能です。「どうせ治らない」と諦めず、まずは皮膚科でご相談ください。
特に夏場は症状が変化しやすい時期です。いつもと違うと感じたら、早めの受診をおすすめします。当院では、お一人おひとりの症状やご希望に合わせた治療プランをご提案しています。
乾癬のことでお悩みの方は、お気軽にご来院ください。
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さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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