夏の汗で悪化しやすい「脂漏性皮膚炎」とは?顔・鼻周りの赤みやかゆみの原因と治療法
「鼻の横がいつも赤くてカサカサする」「眉間や額がかゆくて、フケのようなものが出る」——このような症状でお悩みではありませんか?
これらは「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という皮膚の病気かもしれません。特に夏場は汗や皮脂の分泌が増えることで症状が悪化しやすく、多くの方がこの時期に受診されます。
今回は、顔や鼻周りに起こりやすい脂漏性皮膚炎について、その原因から皮膚科での治療法、そして日常でできるスキンケアまで詳しくご説明します。
脂漏性皮膚炎とは?なぜ顔に起こりやすいの?
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位に起こる慢性的な皮膚の炎症です。顔では特に以下の場所に症状が出やすい傾向があります。
- 鼻の両脇(小鼻の横)
- 眉毛とその周囲
- 額の生え際
- 耳の周り・後ろ
これらの部位は「皮脂腺」という皮脂を分泌する器官が多く集まっている場所です。
主な原因としては、皮膚に常在する「マラセチア」というカビの一種(真菌)が関係していると考えられています。マラセチアは皮脂を栄養源として増殖し、その過程で皮膚に刺激を与える物質を作り出します。これが炎症やかゆみを引き起こすのです。
また、以下のような要因も症状を悪化させることがあります。
- ストレスや疲労
- 睡眠不足
- 偏った食生活(脂っこい食事など)
- ホルモンバランスの乱れ
夏に悪化しやすい理由とは?
脂漏性皮膚炎は一年中起こりうる病気ですが、夏場は特に症状が悪化しやすい季節です。その理由をご説明します。
1. 汗と皮脂の分泌が増える
気温が上がると、体は体温を下げようとして汗をかきます。同時に皮脂の分泌も活発になります。汗と皮脂が混ざり合った状態は、マラセチアにとって絶好の繁殖環境となってしまいます。
2. 汗による刺激
汗に含まれる塩分や老廃物は、すでに炎症を起こしている皮膚にとって刺激となります。汗をかいたまま放置すると、かゆみや赤みが悪化しやすくなります。
3. 紫外線の影響
強い紫外線は皮膚のバリア機能を低下させ、炎症を悪化させる原因になることがあります。
4. 冷房による乾燥
室内の冷房で肌が乾燥すると、体はそれを補おうとして皮脂を過剰に分泌します。この皮脂の増加がマラセチアの増殖につながることもあります。
皮膚科ではどんな治療を行うの?
脂漏性皮膚炎は適切な治療を行えば症状をコントロールできる病気です。皮膚科では、症状の程度や部位に応じて以下のような治療を行います。
【外用薬による治療】
- 抗真菌薬(塗り薬)
マラセチアの増殖を抑える効果があります。顔にも使いやすいクリームタイプなどが処方されます。 - ステロイド外用薬
炎症を素早く抑える効果があります。顔には弱めのステロイドを短期間使用し、症状が落ち着いたら抗真菌薬に切り替えることが多いです。 - 保湿剤
皮膚のバリア機能を整え、症状の再発を防ぎます。
治療で大切なのは、症状が良くなっても自己判断で薬をやめないことです。脂漏性皮膚炎は繰り返しやすい病気のため、医師の指示に従って治療を続けることが重要です。
日常でできるスキンケアと生活習慣
治療と合わせて、毎日のスキンケアや生活習慣を見直すことで、症状の改善や再発予防につながります。
【洗顔のポイント】
- 朝晩2回、低刺激性の洗顔料でやさしく洗いましょう
- 皮脂が気になるからといってゴシゴシこすらないこと
- ぬるま湯(32〜34度程度)ですすぎ残しがないように洗い流す
【保湿について】
- 洗顔後は油分の少ない保湿剤を使いましょう
- 「脂漏性皮膚炎だから保湿しなくていい」は間違いです。適度な保湿は皮膚のバリア機能を守ります
【汗対策】
- 汗をかいたらこまめに拭き取るか、可能であれば洗い流す
- ハンカチやタオルは清潔なものを使用
【生活習慣の見直し】
- 十分な睡眠をとる
- バランスの良い食事を心がける(ビタミンB群を含む食品がおすすめ)
- ストレスをためすぎない
気になる症状があれば、早めに皮膚科へ
脂漏性皮膚炎は、市販薬だけでは十分にコントロールできないことも多く、また他の皮膚疾患(接触皮膚炎や酒さなど)と見分けがつきにくい場合もあります。
「たかが肌荒れ」と放置せず、顔の赤みやかゆみ、カサつきが続く場合は、ぜひ一度皮膚科を受診してください。正しい診断と適切な治療を受けることで、症状を改善し、快適な夏を過ごしましょう。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
武蔵小山駅徒歩1分|皮膚科・形成外科・美容皮膚科
品川区・目黒区からのアクセスも便利です。
https://sakura-hifuka.com