
夏の終わりに急増!「マラセチア毛包炎」とニキビの見分け方と正しい治療法
「ニキビ用の薬を塗っているのに全然治らない…」「背中や胸に小さなブツブツがたくさんできた…」
夏の終わりから秋にかけて、このようなお悩みで受診される患者さんが増えます。実はその症状、ニキビではなく「マラセチア毛包炎」かもしれません。
今回は、ニキビと間違えやすいマラセチア毛包炎について、原因や見分け方、正しい治療法をわかりやすく解説します。
マラセチア毛包炎とは?夏の終わりに多い理由
マラセチア毛包炎は、「マラセチア」というカビ(真菌)の一種が毛穴の中で異常に増殖することで起こる皮膚トラブルです。
マラセチアは、実は誰の肌にも存在する常在菌です。普段は悪さをしませんが、以下のような条件が重なると急激に増殖し、炎症を引き起こします。
【マラセチアが増えやすい条件】
- 高温多湿の環境
- 汗をかきやすい状態が続く
- 皮脂の分泌が多い
- 汗をかいたまま長時間過ごす
夏の間にたっぷり汗をかき、蒸れた状態が続いた肌は、マラセチアにとって絶好の繁殖環境です。そのため、夏の終わりから秋口にかけて症状が出やすくなります。
特に、背中・胸・肩・二の腕など、汗をかきやすく蒸れやすい部位に発症することが多いのが特徴です。
ニキビとマラセチア毛包炎の違い・見分け方
マラセチア毛包炎は見た目がニキビに似ているため、自己判断で間違った治療を続けてしまうケースが少なくありません。両者の違いを知っておきましょう。
【ニキビ(尋常性ざ瘡)の特徴】
- 主な原因:アクネ菌(細菌)
- できやすい場所:顔(おでこ・頬・あご)が中心
- 見た目:大きさや形がバラバラ、白ニキビ・赤ニキビ・膿を持ったものなど様々
- 芯(コメド)があることが多い
【マラセチア毛包炎の特徴】
- 主な原因:マラセチア(カビ・真菌)
- できやすい場所:背中・胸・肩・二の腕など体幹部
- 見た目:1〜2mm程度の小さな赤いブツブツが均一に多数出現
- かゆみを伴うことが多い
- 芯がない、または芯が取れにくい
最大のポイントは、「同じような大きさの小さなブツブツが、広い範囲に均一に散らばっている」という点です。また、ニキビは顔に多いのに対し、マラセチア毛包炎は体(特に背中や胸)に多く発症します。
ただし、見た目だけでは判断が難しい場合も多いため、なかなか治らないときは皮膚科での正確な診断が大切です。
皮膚科での診断方法と治療法
皮膚科では、まず視診(見た目の観察)と問診を行います。必要に応じて、患部の角質や膿を少量採取し、顕微鏡でマラセチアの存在を確認する検査を行うこともあります。
【マラセチア毛包炎の治療法】
マラセチア毛包炎はカビが原因のため、ニキビ用の抗生物質(抗菌薬)では効果がありません。抗真菌薬(カビを抑える薬)を使用します。
<外用薬(塗り薬)>
抗真菌成分を含む塗り薬を患部に直接塗ります。軽症〜中等症の場合は、外用薬のみで改善することがほとんどです。毎日しっかり塗り続けることが大切で、通常2〜4週間程度で効果が現れます。
<内服薬(飲み薬)>
広範囲に症状がある場合や、外用薬だけでは改善しにくい場合は、抗真菌薬の飲み薬を処方することもあります。
治療を始めると比較的早く改善しますが、自己判断で薬をやめると再発しやすいため、医師の指示通りに治療を続けることが重要です。
マラセチア毛包炎を予防するセルフケア
治療と並行して、日常生活での予防も心がけましょう。
【予防のポイント】
- 汗をかいたら早めにシャワーを浴びる:汗をそのままにしない
- 通気性の良い服を選ぶ:綿や吸湿速乾素材がおすすめ
- こまめに着替える:特に運動後や汗をかいた後
- 体を洗いすぎない:ゴシゴシ洗いは肌のバリア機能を低下させます
- しっかり保湿する:肌のバリア機能を保つことが大切
また、枕カバーやシーツなど肌に触れる寝具類をこまめに洗濯・交換することも効果的です。
まとめ
「ニキビだと思って市販薬を塗り続けているのに治らない」という場合、マラセチア毛包炎の可能性があります。原因が異なるため、適切な診断を受けて正しい治療を行うことが早期改善への近道です。
夏の終わりに気になるブツブツができた方、長引く肌トラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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