
夏の露出シーズンに増加する「粉瘤(アテローム)」の見分け方・放置のリスクと日帰り摘出手術について
夏になると薄着になる機会が増え、「以前から気になっていた皮膚のしこり」についてご相談いただくことが多くなります。その中でも特に多いのが「粉瘤(ふんりゅう)」です。アテロームとも呼ばれるこの良性腫瘍は、放置すると思わぬトラブルを引き起こすことがあります。今回は、粉瘤の見分け方や放置するリスク、そして当院で行っている日帰り摘出手術についてわかりやすくご説明します。
粉瘤(アテローム)とは?ニキビやできものとの違い
粉瘤とは、皮膚の下に袋状の組織ができ、その中に古い角質や皮脂がたまってできる良性のできものです。皮膚のどこにでもできる可能性がありますが、特に顔・首・背中・耳たぶなどに多く見られます。
ニキビと間違われることもありますが、以下のような違いがあります。
- 大きさ:粉瘤は数ミリから数センチまで大きくなることがあり、ニキビより大きくなりやすい
- 中央の黒い点:粉瘤の表面には小さな黒い点(開口部)が見られることがある
- 触った感触:皮膚の下でコリコリと動く感じがある
- 経過:ニキビは自然に治ることが多いが、粉瘤は自然には消えない
「何年も前からあるしこり」「少しずつ大きくなっている気がする」という場合は、粉瘤の可能性が高いといえます。
粉瘤を放置するとどうなる?感染・悪化のリスク
粉瘤は良性腫瘍なので、すぐに命に関わるものではありません。しかし、放置することでさまざまなトラブルが起こる可能性があります。
1. 炎症・感染を起こす(炎症性粉瘤)
粉瘤に細菌が入り込むと、急に赤く腫れて強い痛みを伴うことがあります。この状態を「炎症性粉瘤」といい、膿がたまって破裂することもあります。炎症を起こすと治療が複雑になり、傷跡も残りやすくなります。
2. 徐々に大きくなる
粉瘤の袋の中に角質がたまり続けるため、年月とともに少しずつ大きくなっていきます。大きくなってから摘出すると、傷跡も大きくなってしまいます。
3. 破裂して周囲に広がる
炎症を起こしたり、無理に潰そうとしたりすると、袋が破れて中身が周囲の組織に広がり、さらに炎症が悪化することがあります。
特に夏場は汗をかきやすく、細菌が繁殖しやすい環境のため、炎症を起こすリスクが高まります。気になる粉瘤がある方は、炎症を起こす前に早めの受診をおすすめします。
皮膚科・形成外科での日帰り摘出手術の流れ
粉瘤の根本的な治療は、袋ごと取り除く「摘出手術」です。塗り薬や飲み薬では治すことができません。当院では、日帰りで行える摘出手術を実施しています。
手術の基本的な流れ
- 診察・検査:粉瘤の大きさや状態を確認します。必要に応じて超音波検査を行うこともあります。
- 局所麻酔:手術部位に注射で麻酔をします。麻酔が効いている間は痛みを感じません。
- 摘出:粉瘤を袋ごと丁寧に取り除きます。形成外科では傷跡がなるべく目立たないよう配慮した手術を行います。
- 縫合・処置:傷口を縫い合わせ、ガーゼで保護します。
- 抜糸・経過観察:約1〜2週間後に抜糸を行い、傷の治り具合を確認します。
手術時間は大きさや部位にもよりますが、多くの場合15〜30分程度で終わります。手術後は当日からシャワーが可能なことが多く、日常生活への影響も少ないのが特徴です。
また、摘出した組織は病理検査に出し、念のため悪性でないことを確認します。
粉瘤が気になったら早めの受診を
粉瘤は良性のできものですが、「放置していれば自然に治る」ということはありません。炎症を起こす前の落ち着いた状態で摘出したほうが、手術もシンプルで傷跡も目立ちにくくなります。
「これって粉瘤かな?」「ニキビだと思っていたけど治らない」「以前からあるしこりが大きくなってきた」など、気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。皮膚科・形成外科の専門医が丁寧に診察し、最適な治療法をご提案いたします。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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