夏のプール・海の前に知っておきたい「とびひ(伝染性膿痂疹)」の症状・予防・治療法
夏になると、お子さんをプールや海に連れて行く機会が増えますよね。しかし、この季節に特に注意したいのが「とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)」という皮膚の感染症です。
とびひは、火事の「飛び火」のように、あっという間に体のあちこちに広がることからこの名前がつきました。今回は、夏を安心して楽しむために、とびひの症状・予防法・治療法について詳しくお伝えします。
とびひってどんな病気?原因と症状を知ろう
とびひは、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌が皮膚に感染して起こる病気です。主に乳幼児から小学生くらいまでのお子さんに多く見られますが、大人でもかかることがあります。
【とびひの主な症状】
- 水ぶくれ(水疱)ができて、破れるとジュクジュクする
- かさぶたのような黄色いかたまりができる
- かゆみを伴うことが多い
- 触った手で別の場所を触ると、そこにも広がる
特に夏場は、虫刺されやあせも、すり傷などを掻きこわすことがきっかけで発症しやすくなります。小さな傷から細菌が入り込み、そこから感染が広がっていくのです。
とびひには大きく分けて2つのタイプがあります。
- 水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん):水ぶくれができるタイプで、夏に多く見られます
- 痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん):厚いかさぶたができるタイプで、年齢を問わず発症します
なぜ夏に多い?プールや海で気をつけたいこと
とびひが夏に増える理由はいくつかあります。
【夏にとびひが増える理由】
- 汗をかきやすく、肌がふやけて傷がつきやすい
- 虫刺されやあせもで皮膚を掻きやすい
- 高温多湿で細菌が繁殖しやすい
- 薄着で肌の露出が多く、傷ができやすい
プールや海では特に注意が必要です。とびひは接触によってうつる感染症のため、タオルや浮き輪、ビート板などの共用物を介して他のお子さんにうつしてしまう可能性があります。
多くのプール施設では、とびひの症状がある場合は利用を控えるようお願いしています。これは、他の利用者への感染を防ぐためだけでなく、水に濡れることで患部が悪化する可能性があるからです。
お子さんにとびひの症状がある場合は、完全に治るまでプールや海は控えましょう。「せっかくの夏休みなのに…」と思われるかもしれませんが、早めに治療すれば数日〜1週間程度で改善することがほとんどです。
とびひを予防する5つのポイント
とびひは予防が大切です。日頃から以下のことを心がけましょう。
1. 爪を短く切っておく
爪が長いと、掻いたときに皮膚を傷つけやすくなります。また、爪の間には細菌がたまりやすいので、こまめに切って清潔に保ちましょう。
2. 虫刺されやあせもを掻かない
かゆいところを掻きこわすことがとびひの原因になります。かゆみがひどい場合は、かゆみ止めを使ったり、早めに受診したりしましょう。
3. 皮膚を清潔に保つ
毎日のお風呂やシャワーで汗や汚れをしっかり洗い流しましょう。石けんをよく泡立てて優しく洗い、しっかりすすぐことが大切です。
4. 小さな傷も放置しない
すり傷や切り傷ができたら、流水で洗い、清潔に保ちましょう。傷が化膿しないよう注意してください。
5. タオルや衣類の共用を避ける
家族内でもタオルの使い回しは避けましょう。特にとびひの症状がある方がいる場合は、洗濯物も分けて洗うと安心です。
とびひの治療法と受診のタイミング
とびひかな?と思ったら、早めに皮膚科を受診することが大切です。早期に適切な治療を始めれば、症状が広がるのを防ぎ、早く治すことができます。
【一般的な治療法】
- 抗菌薬の塗り薬:患部に直接塗って細菌を退治します
- 抗菌薬の飲み薬:症状が広がっている場合に使用します
- 患部の処置:かさぶたを優しく取り除き、清潔にします
治療中は、患部を清潔に保ち、できるだけ触らないようにしましょう。ガーゼで覆って他の部位への広がりを防ぐことも効果的です。
【こんなときは早めに受診を】
- 水ぶくれやジュクジュクした傷が広がっている
- 発熱を伴っている
- 市販薬を使っても良くならない
- 数日経っても改善しない
お子さんの皮膚トラブルは、夏のレジャーを楽しむためにも、できるだけ早く解決したいものです。「これってとびひかな?」と気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください。適切な診断と治療で、安心して夏を楽しみましょう。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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