
夏のプールや海で悪化しやすい「外耳炎・外耳道湿疹」の症状と皮膚科での治療法
夏になると増えるのが、耳のかゆみや痛みで受診される患者さんです。特にプールや海水浴を楽しんだ後に「耳がかゆい」「耳の中がジクジクする」といった症状で来院される方が多くなります。今回は、夏に悪化しやすい外耳炎と外耳道湿疹について、症状や原因、治療法をわかりやすくご説明します。
外耳炎・外耳道湿疹とは?
外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの通り道(外耳道)に炎症が起きた状態です。細菌や真菌(カビ)の感染によって発症することが多く、強い痛みやかゆみを伴います。
一方、外耳道湿疹は、外耳道の皮膚にかゆみを伴う湿疹ができる状態です。アレルギー体質の方や、耳掃除のしすぎで皮膚が傷ついている方に起こりやすい傾向があります。
この2つは混同されやすいですが、外耳道湿疹がきっかけとなって細菌感染を起こし、外耳炎に進行するケースも少なくありません。
なぜ夏に悪化しやすいの?
夏場に外耳炎・外耳道湿疹が増える主な理由は以下の通りです。
1. 水が耳に入りやすい環境
プールや海、シャワーなどで耳の中に水が入る機会が増えます。水分が耳の中に残ると、皮膚がふやけて傷つきやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境になります。
2. 高温多湿による蒸れ
夏は気温と湿度が高く、耳の中も蒸れやすくなります。この環境は細菌やカビにとって格好の繁殖場所となります。
3. 汗による刺激
汗をかきやすい季節は、耳の中にも汗がたまりやすくなります。汗の塩分が皮膚を刺激し、かゆみや炎症を引き起こすことがあります。
4. 耳掃除のしすぎ
水が入った後に気になって綿棒で何度も耳掃除をしてしまう方がいらっしゃいます。しかし、過度な耳掃除は外耳道の皮膚を傷つけ、症状を悪化させる原因になります。
こんな症状があったら要注意
以下のような症状がある場合は、外耳炎や外耳道湿疹の可能性があります。
- 耳の中がかゆい、ムズムズする
- 耳を触ると痛い、耳たぶを引っ張ると痛みが増す
- 耳の中がジクジクする、液体が出る
- 耳垢が普段より湿っている、黄色や白色の分泌物がある
- 耳が詰まった感じがする
- 耳の入り口付近が赤く腫れている
症状が軽いうちは「そのうち治るだろう」と放置してしまいがちですが、悪化すると強い痛みで眠れなくなったり、聞こえが悪くなったりすることもあります。早めの受診をおすすめします。
皮膚科での治療法と予防のポイント
【治療法】
皮膚科では、まず耳の中の状態を観察し、原因に応じた治療を行います。
・外用薬による治療
炎症を抑えるステロイド軟膏や、細菌感染がある場合は抗菌薬入りの軟膏・点耳薬を使用します。真菌(カビ)が原因の場合は、抗真菌薬を用います。
・内服薬
炎症が強い場合や痛みがひどい場合は、抗菌薬や消炎鎮痛剤の内服を併用することもあります。
・耳の清掃
分泌物や耳垢がたまっている場合は、専用の器具で丁寧に取り除きます。ご自身で無理に取ろうとすると悪化の原因になりますので、必ず医療機関で処置を受けてください。
【予防のポイント】
- プールや海の後は、耳を下に向けて水を出し、清潔なタオルで軽く拭く程度にとどめる
- 綿棒での耳掃除は控えめに(週1回程度、入り口付近を軽く拭く程度で十分)
- イヤホンの長時間使用を避け、清潔に保つ
- かゆくても掻かない、触りすぎない
- アレルギー体質の方は、症状が出やすい時期は特に注意する
外耳炎・外耳道湿疹は適切な治療を受ければ比較的早く改善しますが、再発しやすい疾患でもあります。一度かかったことがある方は、予防を心がけることが大切です。
耳のかゆみや痛み、違和感が続く場合は、悪化する前にお早めに皮膚科をご受診ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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