
秋の乾燥で悪化する「貨幣状湿疹」とは?コイン型の赤い発疹の原因と治療法
「腕や足に丸いコインのような赤い発疹ができた」「かゆくて掻いていたら、どんどん広がってきた」——秋から冬にかけて、このようなご相談が増えてきます。
これは「貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)」と呼ばれる皮膚疾患かもしれません。放置すると広がりやすく、治りにくくなることもあるため、早めの対処が大切です。
今回は、貨幣状湿疹の特徴や原因、そして皮膚科での治療法について詳しくご説明します。
貨幣状湿疹とは?その特徴と見分け方
貨幣状湿疹は、その名の通りコイン(貨幣)のような丸い形をした湿疹が特徴です。直径は1〜5cm程度で、境界がはっきりしています。
【主な症状】
- 丸い形の赤い発疹(境界がくっきり)
- 強いかゆみ
- 表面がジュクジュクしたり、かさぶたになったりする
- 掻くと周囲に小さな発疹が広がる(散布疹)
【できやすい部位】
- すね・ふくらはぎ(最も多い)
- 腕・手の甲
- 太もも・おしり
- 体幹(胴体)
特にすねや腕など、乾燥しやすく衣類との摩擦が多い部位に発症しやすいのが特徴です。中高年の方に多く見られますが、最近は若い方にも増えています。
なぜ秋に悪化する?貨幣状湿疹の原因
貨幣状湿疹の原因は完全には解明されていませんが、乾燥と摩擦が大きく関係していることがわかっています。
【秋に悪化しやすい理由】
1. 空気の乾燥
秋になると湿度が急激に下がり、肌の水分が奪われやすくなります。乾燥した肌はバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感になります。
2. 衣類の摩擦
長袖や厚手の衣類を着る機会が増え、肌との摩擦が増加します。特にウールやナイロンなどの素材は刺激になりやすいです。
3. 入浴習慣の変化
寒くなると熱いお風呂に長く浸かりがちですが、これは肌の油分を奪い、乾燥を悪化させる原因になります。
【その他の悪化要因】
- ゴシゴシ洗いすぎ
- ストレスや疲労
- 金属アレルギー(歯科金属など)
- 細菌感染(黄色ブドウ球菌など)
一度発症すると、掻くことで炎症が広がり、さらにかゆくなる悪循環に陥りやすいため、早めの治療が重要です。
皮膚科での治療法と自宅でできるケア
貨幣状湿疹は適切な治療を行えば改善できる疾患です。ただし、自己判断で市販薬を使い続けると悪化することもあるため、皮膚科での診察をおすすめします。
【皮膚科での主な治療】
1. 外用薬(塗り薬)
炎症を抑えるステロイド外用薬が基本となります。症状の程度や部位に応じて、適切な強さの薬を選択します。ジュクジュクしている場合は、亜鉛華軟膏などを併用することもあります。
2. 内服薬
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)を処方します。掻きむしりを防ぐことで、症状の悪化や拡大を防ぎます。
3. 保湿剤
乾燥対策として、保湿剤の使用も重要な治療の一部です。ヘパリン類似物質やワセリンなどを処方します。
【自宅でできる予防・ケアのポイント】
- 保湿を徹底する:入浴後は5分以内に保湿剤を塗りましょう
- ぬるめのお湯で短時間入浴:38〜40℃、15分以内が目安です
- やさしく洗う:ゴシゴシ擦らず、泡で包むように洗います
- 肌にやさしい素材を選ぶ:綿100%の衣類がおすすめです
- 爪を短く切る:無意識に掻いても傷つきにくくなります
- 加湿器を活用する:室内の湿度は50〜60%を目安に
「たかが湿疹」と放置しないで
貨幣状湿疹は、適切な治療を行わないと数ヶ月から数年単位で長引くことがあります。また、掻き続けることで色素沈着(黒ずみ)が残ったり、細菌感染を起こしたりするリスクもあります。
「コイン型の発疹がある」「かゆくて夜眠れない」「市販薬を塗っても治らない」という方は、早めに皮膚科を受診してください。症状に合った適切な治療を行うことで、つらいかゆみから解放され、きれいな肌を取り戻すことができます。
当院では、患者さま一人ひとりの症状や生活習慣に合わせた治療計画をご提案しています。お気軽にご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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