
夏の終わりに多発する「毛虫皮膚炎」とは?症状・応急処置と皮膚科での治療法
夏の終わりから秋にかけて、「庭の手入れをした後から腕がかゆい」「公園で遊んだ子どもの首に赤いブツブツができた」というご相談が急増します。これらの多くは毛虫皮膚炎と呼ばれる、毛虫の毒針毛(どくしんもう)による皮膚トラブルです。
今回は、特に被害の多いチャドクガとイラガによる皮膚炎について、症状の特徴から応急処置、皮膚科での治療法まで詳しくご説明します。
毛虫皮膚炎を引き起こす代表的な虫と発生時期
毛虫皮膚炎の原因となる虫は主に2種類あります。
【チャドクガ】
ツバキやサザンカなどの木に発生し、6〜7月と8〜9月の年2回、幼虫(毛虫)が現れます。体長2〜3cmほどで、黄色っぽい体に黒い模様があります。最大の特徴は、体表面に約50万本もの微細な毒針毛を持っていること。この毒針毛は風に乗って飛散するため、直接触れなくても被害に遭うことがあります。
【イラガ】
カキ、サクラ、ウメ、カエデなど多くの樹木に発生し、7〜10月頃に見られます。鮮やかな黄緑色で、体に棘のような突起があります。チャドクガと異なり、直接触れることで刺されるタイプで、触れた瞬間に電気が走るような激しい痛みを感じるのが特徴です。
毛虫皮膚炎の症状の特徴
チャドクガとイラガでは、症状の現れ方に違いがあります。
【チャドクガによる皮膚炎】
- 接触後数時間〜翌日に症状が出現
- 赤い小さなブツブツ(丘疹)が広範囲に多発
- 激しいかゆみが特徴(我慢できないほど)
- 首、腕、足など露出部に多い
- 症状が2〜3週間続くこともある
- 掻くことで毒針毛が広がり、範囲が拡大することも
【イラガによる皮膚炎】
- 触れた直後に電気ショックのような痛み
- 刺された部位が赤く腫れる
- 痛みは数時間で軽減し、その後かゆみに変わる
- 症状は1週間程度で落ち着くことが多い
その場でできる応急処置
毛虫に触れてしまった場合、適切な応急処置が症状の悪化を防ぎます。
【チャドクガの場合】
- 患部をこすらない(毒針毛が広がります)
- 粘着テープ(ガムテープなど)で肌に付いた毒針毛を取り除く(同じ面を繰り返し使わない)
- 流水で洗い流す(シャワーの水圧で)
- 着ていた衣類は着替え、毒針毛が付着している可能性があるため他の洗濯物とは分けて洗う
【イラガの場合】
- 刺された部位を流水で洗う
- 冷やす(痛みの軽減に効果的)
- 棘が残っている場合はピンセットで慎重に取り除く
共通の注意点として、掻きむしることは絶対に避けてください。症状が広がったり、細菌感染を起こしたりする原因になります。
皮膚科での治療法と受診の目安
皮膚科では、症状に応じて以下のような治療を行います。
- ステロイド外用薬:炎症とかゆみを抑える塗り薬
- 抗ヒスタミン薬(飲み薬):かゆみを内側から抑える
- 抗生物質:掻き壊しによる細菌感染がある場合
市販薬でも軽度の症状は改善することがありますが、以下のような場合は早めの受診をおすすめします。
- 広範囲に症状が出ている
- かゆみが強く眠れない
- 腫れがひどい、または水ぶくれができた
- 発熱や全身のだるさがある
- 過去に毛虫皮膚炎で強い反応が出たことがある
- 市販薬を使っても3日以上改善しない
【予防のポイント】
- 庭木の手入れは長袖・長ズボン・手袋を着用
- ツバキ・サザンカ・カキなどの木には注意
- 風が強い日は毒針毛が飛散しやすいので作業を避ける
- 公園では子どもが木の葉に触れないよう注意
- 毛虫を見つけても素手で触らない、払い落とさない
毛虫皮膚炎は適切な治療を受ければ、しっかり改善できる皮膚トラブルです。かゆみを我慢したり、掻き壊して悪化させたりする前に、お気軽に皮膚科をご受診ください。当院では、症状を診察した上で、お一人おひとりに合った治療法をご提案いたします。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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