
夏の日焼け後に発症しやすい「多形日光疹」とは?症状・原因と皮膚科での検査・治療法を解説
夏になると「日焼けした後に、赤いブツブツやかゆみが出てきた」というご相談が増えます。これは単なる日焼けではなく、「多形日光疹(たけいにっこうしん)」という皮膚の病気かもしれません。
多形日光疹は、紫外線に対する皮膚のアレルギー反応のひとつで、特に春から夏にかけて発症しやすい疾患です。今回は、この多形日光疹の症状や原因、皮膚科での検査・治療法についてわかりやすく解説します。
多形日光疹とはどんな病気?その症状について
多形日光疹は、日光(紫外線)を浴びた後に皮膚に発疹が現れる病気です。「多形」という名前のとおり、症状の出方には個人差があり、さまざまな形の発疹が見られます。
【主な症状】
- 赤いブツブツ(丘疹)
- 小さな水ぶくれ(水疱)
- 蕁麻疹のような盛り上がり
- 強いかゆみ
- ヒリヒリとした痛み
症状が出やすい部位は、腕、首、胸元、顔など日光に当たりやすい場所です。通常、日光を浴びてから数時間〜数日以内に症状が現れます。
一般的な日焼けと異なる点は、日焼けの程度に比べて症状が強く出ること、そして毎年同じ時期に繰り返し発症しやすいことです。「毎年春先になると肌が荒れる」という方は、多形日光疹の可能性があります。
多形日光疹の原因とかかりやすい人の特徴
多形日光疹の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、紫外線(主にUVA)に対する免疫系の過剰反応が関係していると考えられています。
紫外線を浴びることで皮膚の中の物質が変化し、それを体が「異物」と認識してアレルギー反応を起こすのです。
【かかりやすい人の特徴】
- 色白の方:紫外線の影響を受けやすい
- 女性:男性よりも発症率が高い傾向
- 10〜30代の若い世代:発症のピークは若年層
- 春先に初めて強い日差しを浴びる人:冬の間に紫外線への耐性が下がっている
興味深いことに、夏が進むにつれて症状が軽くなる方もいらっしゃいます。これは「光線硬化」と呼ばれる現象で、少しずつ紫外線に慣れることで皮膚の反応が弱まると考えられています。
皮膚科での検査方法
多形日光疹が疑われる場合、皮膚科では以下のような方法で診断を行います。
【問診・視診】
まず、症状が出た時期やきっかけ、日光を浴びた状況、過去に同様の症状があったかなどを詳しくお聞きします。発疹の形や分布を確認することで、多くの場合は診断がつきます。
【光線テスト(必要に応じて)】
診断が難しい場合や、他の光線過敏症との区別が必要な場合には、「光線テスト」を行うことがあります。これは、皮膚の一部に人工的に紫外線を当てて反応を見る検査です。
【血液検査(必要に応じて)】
全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病でも、日光過敏の症状が出ることがあります。これらの病気を除外するために、血液検査を行う場合もあります。
似たような症状を起こす病気には、日光蕁麻疹、光接触皮膚炎、薬剤性光線過敏症などがあります。正確な診断のためにも、自己判断せず皮膚科を受診することが大切です。
多形日光疹の治療法と日常生活での予防策
【皮膚科での治療】
- ステロイド外用薬:炎症やかゆみを抑えるために、塗り薬を処方します
- 抗ヒスタミン薬(飲み薬):かゆみが強い場合に服用します
- 光線療法(予防的治療):重症例や毎年繰り返す方には、シーズン前に少量の紫外線を計画的に当てて皮膚を慣らす治療を行う場合もあります
【日常生活での予防策】
- 日焼け止めをしっかり塗る:SPF30以上、PA+++以上のものを選び、2〜3時間おきに塗り直しましょう
- UVカットの衣類や帽子を活用:長袖や日傘で物理的に紫外線を遮ることも効果的です
- 日差しの強い時間帯を避ける:10時〜14時は紫外線が最も強い時間帯です
- 徐々に日光に慣らす:春先から少しずつ日光を浴びる時間を増やすことで、症状が出にくくなることがあります
多形日光疹は適切な治療と予防を行えば、症状をコントロールできる病気です。「たかが日焼け」と放置せず、症状が気になる方は早めに皮膚科を受診してください。
当院では、多形日光疹をはじめとする光線過敏症の診断・治療を行っております。日光を浴びた後の肌トラブルでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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