
梅雨時期に悪化しやすい水虫・足白癬の原因と正しい治療法
じめじめとした梅雨の季節になると、「足がかゆい」「皮がむける」といった症状で来院される患者さんが急増します。その多くは水虫(足白癬:あしはくせん)です。水虫は日本人の5人に1人がかかっているともいわれる、非常に身近な皮膚の病気です。
今回は、梅雨時期に水虫が悪化しやすい理由と、正しい治療法についてわかりやすくご説明します。
水虫とは?原因となる「白癬菌」について
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚に感染して起こる病気です。白癬菌は、皮膚の一番外側にある「角質層」のケラチンというタンパク質を栄養源として増殖します。
白癬菌が感染する部位によって呼び方が変わります。
- 足白癬:足に感染したもの(いわゆる水虫)
- 爪白癬:爪に感染したもの(爪水虫)
- 体部白癬:体に感染したもの(たむし)
- 股部白癬:股の部分に感染したもの(いんきんたむし)
白癬菌は高温多湿の環境を好むため、靴の中で蒸れやすい足は特に感染しやすい部位となります。
梅雨時期に水虫が悪化する理由
梅雨の時期に水虫の症状が悪化したり、新たに発症したりする方が多いのには、明確な理由があります。
1. 高温多湿の環境
白癬菌は、温度15℃以上、湿度70%以上の環境で活発に増殖します。梅雨時期はまさにこの条件にぴったり当てはまります。靴の中は湿度が90%以上になることもあり、白癬菌にとって絶好の繁殖環境となります。
2. 足が蒸れやすい
雨の日が続くと、どうしても靴が乾きにくくなります。また、長靴やレインブーツを履く機会も増え、足が蒸れた状態が長時間続きやすくなります。
3. 感染機会の増加
プールや温泉、スポーツジムなど、素足になる機会がある場所では感染リスクが高まります。白癬菌は、感染者の皮膚から剥がれ落ちた角質の中でも生き続けているため、バスマットやスリッパを介して感染が広がることがあります。
水虫の症状と種類
水虫にはいくつかのタイプがあり、それぞれ症状が異なります。
趾間型(しかんがた)
最も多いタイプで、足の指の間(特に薬指と小指の間)の皮膚が白くふやけてジュクジュクしたり、皮がむけたりします。強いかゆみを伴うことが多いです。
小水疱型(しょうすいほうがた)
足の裏や土踏まず、足の縁などに小さな水ぶくれができます。かゆみが強く、水ぶくれが破れると皮がむけます。
角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
足の裏全体、特にかかとの皮膚が厚く硬くなり、ひび割れを起こします。かゆみがほとんどないため、水虫と気づかないことも多いタイプです。
また、足の水虫を放置していると、爪に感染して爪水虫(爪白癬)になることがあります。爪が白く濁ったり、厚くなったり、もろくボロボロになったりする症状が見られます。
正しい治療法と予防のポイント
皮膚科での正確な診断が大切
「水虫だと思っていたら別の病気だった」というケースは少なくありません。湿疹やかぶれ、汗疱(かんぽう)など、水虫と似た症状を示す皮膚疾患は複数あります。
皮膚科では、患部の皮膚や爪の一部を採取し、顕微鏡で白癬菌の有無を確認する検査を行います。この検査により、水虫かどうかを正確に診断することができます。市販薬を自己判断で使い続けて悪化させてしまう方もいらっしゃいますので、まずは正確な診断を受けることをおすすめします。
抗真菌薬による治療
水虫の治療には、白癬菌を退治する抗真菌薬(こうしんきんやく)を使用します。足白癬の多くは、塗り薬(外用薬)で治療できます。
治療のポイントは以下の通りです。
- 症状がある部分だけでなく、足全体に広めに塗る
- 症状が良くなっても、最低1〜2ヶ月は塗り続ける
- お風呂上がりの清潔な状態で塗るのが効果的
爪水虫の場合は、塗り薬だけでは薬が届きにくいため、飲み薬(内服薬)が必要になることがあります。治療期間は数ヶ月から半年程度かかりますが、根気よく続けることで治すことができます。
日常生活での予防ポイント
治療と並行して、以下の点に気をつけることで再発を防ぐことができます。
- 足を清潔に保ち、しっかり乾燥させる(特に指の間)
- 通気性の良い靴や靴下を選ぶ
- 同じ靴を毎日履かず、ローテーションする
- バスマットやスリッパは家族と共用しない
- 公共施設で素足になった後は、足をよく洗う
ご家族に水虫の方がいる場合は、家庭内での感染を防ぐため、一緒に治療を受けることをおすすめします。
まとめ
水虫は適切な治療を行えば治る病気です。しかし、自己判断で市販薬を使ったり、症状が良くなったからと途中で治療をやめてしまうと、再発を繰り返すことになります。
「もしかして水虫かも?」と思われたら、まずは皮膚科を受診して正確な診断を受けましょう。梅雨時期で症状が悪化している方も、今から治療を始めれば、夏本番を快適に過ごすことができます。足のかゆみや皮むけでお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
武蔵小山駅徒歩1分|皮膚科・形成外科・美容皮膚科
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