
秋の乾燥で悪化しやすい「慢性痒疹」と「皮膚掻痒症」の違い|かゆみが続くときの受診タイミング
「かゆみが何週間も続いている」「掻いても掻いてもおさまらない」——秋になると、このようなお悩みで受診される方が増えてきます。湿度が下がり始めるこの時期は、肌の乾燥が進みやすく、慢性的なかゆみを引き起こす皮膚疾患が悪化しやすい季節です。
今回は、長引くかゆみの代表的な疾患である「慢性痒疹(まんせいようしん)」と「皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)」の違いや原因、皮膚科での治療法についてわかりやすく解説します。
慢性痒疹と皮膚掻痒症——何が違うの?
どちらも「かゆみが続く」という点では共通していますが、皮膚の状態や原因に違いがあります。
慢性痒疹(まんせいようしん)とは
慢性痒疹は、強いかゆみを伴う小さなブツブツ(丘疹)やしこりが皮膚にできる病気です。かゆみのために繰り返し掻いてしまうことで、皮膚が厚く硬くなったり、色素沈着(黒ずみ)が残ったりすることがあります。
症状が6週間以上続くと「慢性」と診断され、数ヶ月から数年にわたって症状が続くケースも珍しくありません。腕や脚、背中など、手が届きやすい部位に多く見られます。
皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)とは
一方、皮膚掻痒症は見た目には発疹やブツブツがないのに、かゆみだけが続く状態を指します。「かゆいのに、皮膚を見ても何もない」というのが特徴です。
ただし、かゆくて掻き続けているうちに、掻き傷や湿疹ができてしまうこともあります。全身がかゆくなる「全身性」と、特定の部位だけかゆくなる「限局性」があります。
秋に悪化しやすい理由と主な原因
秋から冬にかけては、空気が乾燥し、肌の水分が奪われやすくなります。皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激に敏感になり、かゆみを感じやすくなるのです。
慢性痒疹の原因
- 虫刺されの跡がきっかけになることが多い
- アトピー性皮膚炎など、もともとの肌質が関係することも
- ストレスや疲労による免疫バランスの乱れ
- 原因がはっきりしない場合も少なくない
皮膚掻痒症の原因
- 加齢による皮脂の減少(老人性乾皮症)
- 肝臓や腎臓の病気、糖尿病などの内科的な疾患
- お薬の副作用
- 入浴時の洗いすぎや熱いお湯
- 精神的なストレス
特に皮膚掻痒症は、かゆみの裏に内科的な病気が隠れていることがあるため、長引く場合は早めの受診が大切です。
皮膚科ではどんな治療をするの?
皮膚科では、まず問診と視診でどのようなタイプのかゆみなのかを見極めます。必要に応じて血液検査などを行い、内科的な原因がないかも確認します。
主な治療法
- 保湿剤:肌のバリア機能を回復させ、乾燥を防ぎます
- ステロイド外用薬:炎症やかゆみを抑えます。症状に合わせて強さを調整します
- 抗ヒスタミン薬(飲み薬):かゆみの信号を抑え、掻きむしりを防ぎます
- 紫外線療法:難治性の場合に行うことがあります
- 漢方薬:体質改善を目的に処方することもあります
慢性痒疹の場合は、硬くなった皮膚(結節)に対して、より強めのステロイド外用薬やテープ剤を使用することもあります。根気よく治療を続けることが大切です。
受診すべきタイミングと日常生活での対策
こんなときは早めに皮膚科へ
- かゆみが2週間以上続いている
- 市販薬を使っても改善しない
- 夜眠れないほどかゆい
- 掻き傷や色素沈着が目立ってきた
- 発疹がないのにかゆみだけがある
「たかがかゆみ」と放置してしまうと、掻き壊しによる傷跡や色素沈着が残ることがあります。また、内科的な疾患のサインである可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。
日常生活でできる対策
- 入浴はぬるめのお湯(38〜40℃)で、長湯を避ける
- ボディソープは低刺激性のものを選び、ゴシゴシ洗わない
- お風呂上がりはすぐに保湿する(できれば5分以内)
- 肌着は綿などの天然素材を選ぶ
- 部屋の加湿を心がける(湿度50〜60%が目安)
- 爪を短く切り、無意識の掻きむしりを防ぐ
これらのセルフケアを続けながら、症状に合った治療を受けることで、かゆみのコントロールがしやすくなります。
長引くかゆみは、生活の質を大きく下げてしまいます。我慢せず、お早めに皮膚科専門医にご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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