
秋の抜け毛シーズン本番!「休止期脱毛症」と「びまん性脱毛症」の違いと皮膚科での治療法
「最近、シャンプーのたびに抜け毛が増えた気がする…」「排水口にたまる髪の毛が明らかに多い…」
秋になると、このようなお悩みで受診される患者さんが急増します。実は、秋は1年の中で最も抜け毛が増える季節。これは夏に受けたダメージが時間差で現れるためです。
今回は、秋に多い抜け毛のタイプである「休止期脱毛症」と「びまん性脱毛症」の違い、そして皮膚科でできる検査と治療法についてわかりやすく解説します。
なぜ秋に抜け毛が増える?夏のダメージが現れるメカニズム
髪の毛には「成長期→退行期→休止期」というサイクルがあります。通常、1日に50〜100本程度の抜け毛は正常な範囲ですが、秋になると200本以上抜けることも珍しくありません。
その主な原因は、夏に受けた以下のようなダメージです。
- 強い紫外線:頭皮の細胞がダメージを受け、毛根の働きが低下
- 大量の汗と皮脂:毛穴詰まりや頭皮環境の悪化
- エアコンによる乾燥:頭皮のバリア機能が低下
- 夏バテによる栄養不足:髪の成長に必要な栄養が不足
これらのダメージを受けた髪の毛は、2〜3ヶ月後の秋に一斉に「休止期」に入り、抜け落ちていきます。動物の換毛期のような現象が人間にも起こるのです。
「休止期脱毛症」と「びまん性脱毛症」の違いとは?
秋の抜け毛で多い脱毛症には、主に2つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
休止期脱毛症(きゅうしきだつもうしょう)
髪の毛が通常より早く休止期に入ってしまい、一時的に大量の抜け毛が起こる状態です。
【特徴】
- 急に抜け毛が増える
- 頭全体からまんべんなく抜ける
- 原因がなくなれば、多くの場合3〜6ヶ月で自然に改善
【主な原因】
- 夏の紫外線・暑さによるストレス
- 急激なダイエット
- 出産後のホルモン変化
- 高熱を伴う病気の後
- 強い精神的ストレス
びまん性脱毛症
「びまん」とは「広くまんべんなく」という意味で、頭髪全体が徐々に薄くなっていくタイプの脱毛症です。女性に多く見られます。
【特徴】
- 髪の毛1本1本が細くなる
- 分け目が目立つようになる
- 頭頂部のボリュームが減る
- 進行がゆっくりで気づきにくい
【主な原因】
- 加齢による女性ホルモンの減少
- 慢性的な栄養不足(鉄分、亜鉛、タンパク質など)
- 甲状腺機能の異常
- 長期的なストレス
休止期脱毛症は「一時的な抜け毛の増加」、びまん性脱毛症は「徐々に髪が細く薄くなる」という違いがあります。ただし、両方が同時に起こっているケースも少なくありません。
皮膚科での検査と治療法
「ただの季節的な抜け毛」と自己判断せず、皮膚科で正確な診断を受けることが大切です。原因によって治療法が異なるためです。
皮膚科で行う検査
1. 問診・視診
抜け毛が始まった時期、生活習慣、ストレスの有無、既往歴などを詳しくお聞きします。頭皮や毛髪の状態も丁寧に観察します。
2. 拡大鏡(ダーモスコピー)検査
専用の拡大鏡で頭皮と毛穴の状態を詳しく観察。毛の太さや毛穴から生えている本数、頭皮の炎症の有無などをチェックします。
3. 血液検査
必要に応じて、以下の項目を調べます。
- 鉄分(フェリチン):隠れ貧血のチェック
- 亜鉛:毛髪の成長に必須のミネラル
- 甲状腺ホルモン:代謝に関わるホルモン
- 女性ホルモン:ホルモンバランスの確認
皮膚科での治療法
1. 外用薬(塗り薬)
ミノキシジル配合の外用薬は、毛根の血流を改善し、発毛を促進します。市販品もありますが、医療機関では濃度や使い方を症状に合わせて調整できます。
2. 内服薬・サプリメント
血液検査で不足が判明した栄養素を補充します。特に鉄分や亜鉛の不足は、サプリメントだけでなく医療用の補充剤でしっかり改善することが重要です。
3. 頭皮環境の改善指導
正しいシャンプーの方法、頭皮に合ったヘアケア製品の選び方、生活習慣の改善などをアドバイスします。
早めの対策が回復への近道です
抜け毛は「様子を見よう」と放置しがちですが、原因によっては早期治療で改善できるケースが多いです。特に以下のような場合は、早めの受診をおすすめします。
- 抜け毛が2ヶ月以上続いている
- 明らかに髪のボリュームが減った
- 地肌が透けて見えるようになった
- 円形の脱毛がある(円形脱毛症の可能性)
秋の抜け毛は、適切な診断と治療で改善できます。一人で悩まず、お気軽に皮膚科専門医にご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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