
秋の衣替えで増える「衣類かぶれ」とは?ウール・化繊による接触性皮膚炎の症状と治療法
秋になり、衣替えの季節を迎えると「急に肌がかゆくなった」「首周りや手首に赤いブツブツができた」というご相談が増えてきます。その原因の多くは、衣類の素材が変わったことによる「接触性皮膚炎」、いわゆる「衣類かぶれ」です。
今回は、秋冬に多いウールや化学繊維による肌トラブルについて、原因から治療法、予防のための衣類選びまで詳しくお伝えします。
衣類による接触性皮膚炎とは?起こりやすい部位と症状
接触性皮膚炎とは、皮膚に触れた物質が原因で起こる炎症のことです。衣類が原因の場合、繊維そのものの刺激や、染料・仕上げ剤などの化学物質がきっかけとなります。
【起こりやすい部位】
- 首周り・襟ぐり
- 手首・足首(袖口・裾が当たる部分)
- 脇の下・ウエスト周り
- タグが当たる部分
- 下着のゴムが当たる部分
【主な症状】
- 赤み・かゆみ
- 小さなブツブツ(丘疹)
- カサカサした乾燥・皮むけ
- ひどい場合は水ぶくれやジュクジュクした状態
症状は衣類が触れた部分に限定されることが多く、着ている服の形に沿って赤みが出るのが特徴です。「このセーターを着ると必ずかゆくなる」という場合は、衣類かぶれを疑いましょう。
なぜ秋冬に増える?ウール・化繊かぶれの原因
秋冬に衣類かぶれが増える理由は、素材の変化と肌のコンディションの両方にあります。
【素材による原因】
●ウール(羊毛)
ウールの繊維は表面にスケール(うろこ状の突起)があり、これが肌を物理的に刺激します。特に敏感肌の方やアトピー性皮膚炎の方は、チクチク感やかゆみを感じやすいです。
●化学繊維(ポリエステル・アクリル・ナイロンなど)
吸湿性が低いため、汗が肌表面にとどまりやすく、蒸れやかぶれの原因になります。また、静電気が起きやすく、肌への刺激になることもあります。
●染料・仕上げ剤
新品の衣類に使われている染料や、シワ防止・防縮加工の薬剤がアレルギー反応を起こすことがあります。特に濃い色の衣類は染料が多いため注意が必要です。
【肌側の原因】
秋冬は空気が乾燥し、肌のバリア機能が低下しやすい時期です。夏の紫外線ダメージが残っている肌は特に敏感になっており、普段は大丈夫だった素材でも刺激を感じやすくなります。
皮膚科での診断と治療法
衣類かぶれが疑われる場合、皮膚科では以下のような診断・治療を行います。
【診断】
- 症状の出ている部位と衣類の関係を確認
- いつから、どんな服を着たときに症状が出るかを問診
- 必要に応じて「パッチテスト」で原因物質を特定
【治療】
●外用薬(塗り薬)
炎症を抑えるステロイド外用薬が基本となります。症状の程度や部位に合わせて、適切な強さの薬を処方します。
●抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬
かゆみが強い場合は、飲み薬を併用してかゆみを軽減します。
●保湿剤
バリア機能を回復させるため、保湿ケアも重要です。治療中から継続して使用することで、再発予防にもつながります。
症状が軽いからといって放置すると、掻きこわしによる悪化や色素沈着につながることがあります。早めの受診をおすすめします。
敏感肌の方へ|秋冬の衣類選びで気をつけたいポイント
衣類かぶれを予防するために、以下のポイントを意識してみてください。
【素材選び】
- 綿(コットン)100%やシルクなど、天然素材で肌触りの良いものを選ぶ
- ウールを着る場合は、肌に直接触れないようインナーを挟む
- 「敏感肌用」「オーガニックコットン」などの表示を参考にする
【着用時の工夫】
- 新品の衣類は着る前に一度洗濯する(残留薬剤を落とす)
- タグは切り取るか、外側についているものを選ぶ
- 締め付けの強い衣類は避ける
【日常のスキンケア】
- 入浴後は保湿剤をしっかり塗り、肌のバリア機能を保つ
- 長時間の入浴や熱いお湯は避ける(皮脂を奪いすぎない)
ちょっとした工夫で、秋冬も快適に過ごせるようになります。
「毎年この時期になると肌がかゆくなる」「特定の服を着ると調子が悪い」という方は、衣類かぶれの可能性があります。原因を特定し、適切な治療を受けることで症状は改善できますので、お気軽に皮膚科をご受診ください。
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