夏のバーベキュー・花火シーズンに多い「火傷(熱傷)」の重症度別応急処置と傷跡を残さない治療法
夏はバーベキューや花火など、火を使うレジャーが増える季節です。楽しいイベントの最中に、うっかり火傷(やけど)をしてしまうケースが毎年多く見られます。
火傷は初期対応が非常に重要で、適切な処置をすることで傷跡が残りにくくなります。今回は、火傷の重症度の見分け方から応急処置、そして形成外科での専門治療まで詳しくご紹介します。
夏に火傷が増える原因と注意すべきシーン
夏のレジャーシーズンには、以下のような場面で火傷が起こりやすくなります。
【バーベキューでの火傷】
- 炭や着火剤の炎に触れてしまう
- 熱くなった鉄板や網に手をついてしまう
- 飛び散った油や肉汁がかかる
- 炭の火起こし中に炎が急に上がる
【花火での火傷】
- 手持ち花火の火花が肌に飛ぶ
- 花火が燃え終わる前に触ってしまう
- 地面に落ちた燃えカスを踏んでしまう
- ロケット花火などが予期せぬ方向に飛ぶ
特にお子さんは好奇心から火に近づきやすく、大人よりも皮膚が薄いため重症化しやすい傾向があります。小さなお子さんがいるご家庭では、より一層の注意が必要です。
火傷の重症度の見分け方と症状
火傷は深さによって3段階に分類され、それぞれ症状や治り方が異なります。
【Ⅰ度熱傷(軽度)】
表皮(皮膚の一番外側)だけの火傷です。
- 症状:赤み、ヒリヒリする痛み
- 水ぶくれ:できない
- 治癒期間:数日〜1週間程度
- 傷跡:通常残らない
日焼けもこのⅠ度熱傷に含まれます。
【Ⅱ度熱傷(中等度)】
表皮から真皮(皮膚の深い層)まで達した火傷です。浅いものと深いものがあります。
- 症状:強い痛み、赤み、腫れ
- 水ぶくれ:できる
- 治癒期間:浅いもので2週間程度、深いものは1ヶ月以上
- 傷跡:浅いものは残りにくいが、深いものは残ることがある
水ぶくれができた場合は、自分で破らないことが大切です。
【Ⅲ度熱傷(重度)】
皮膚の全層が損傷した火傷です。
- 症状:白っぽい、または黒っぽく変色、痛みを感じにくい(神経まで損傷しているため)
- 水ぶくれ:できない
- 治癒期間:自然治癒は困難、手術が必要になることも
- 傷跡:残ることが多い
Ⅲ度熱傷や広範囲の火傷は、すぐに救急受診が必要です。
正しい応急処置の方法
火傷をしてしまったときは、以下の手順で応急処置を行いましょう。
【ステップ1:すぐに冷やす】
流水で15〜30分間冷やすのが基本です。水道水の流水が理想的ですが、きれいな水であれば洗面器やバケツに溜めた水でも構いません。氷を直接当てることは避けてください。凍傷を起こす危険があります。
【ステップ2:清潔に保つ】
冷やした後は、清潔なガーゼや布で軽く覆います。ラップを使用する方法もありますが、あくまで応急処置として短時間にとどめてください。
【ステップ3:市販薬の使用について】
軽いⅠ度熱傷であれば、市販の火傷用軟膏を使用しても構いません。ただし、水ぶくれができている場合は自己判断での処置は避け、医療機関を受診してください。
【やってはいけないこと】
- 水ぶくれを自分で破る
- 氷を直接当てる
- アロエや味噌などの民間療法を試す
- 衣服を無理にはがす(皮膚も一緒にはがれる恐れがあります)
形成外科での傷跡を残さない治療
火傷の傷跡をできるだけ残さないためには、早めに形成外科を受診することをおすすめします。
【急性期の治療】
形成外科では、火傷の深さや範囲を正確に評価し、最適な治療法を選択します。
- 適切な軟膏や被覆材(ひふくざい)による傷の保護
- 感染予防のための処置
- 必要に応じた壊死組織(えしそしき)の除去
近年では「湿潤療法(しつじゅんりょうほう)」という、傷を乾かさずに治す方法が主流になっています。この方法により、痛みが少なく、傷跡も残りにくくなります。
【傷跡の治療】
残ってしまった傷跡に対しては、以下のような治療が可能です。
- 圧迫療法やシリコンシートによる傷跡の改善
- ステロイド注射による盛り上がった傷跡の治療
- レーザー治療による赤みや色素沈着の改善
- 必要に応じた外科的な傷跡修正手術
傷跡の治療は、傷が完全に治ってから数ヶ月〜1年ほど経過を見て、状態に応じて行います。
【受診の目安】
以下の場合は、できるだけ早く形成外科を受診してください。
- 水ぶくれができた
- 範囲が手のひら以上の広さ
- 顔、手、足、関節部など機能的・見た目に重要な部位
- 痛みが強い、または逆に痛みを感じない
- 傷の色が白っぽい、または黒っぽい
- お子さんや高齢者の火傷
火傷は「このくらい大丈夫」と思っても、実際には深い損傷が起きていることがあります。判断に迷ったら、まずは専門医に診てもらうことをおすすめします。
火傷でお悩みの方、傷跡が気になる方は、お気軽に当院へご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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