
夏に急増する「あせも」と「汗かぶれ」の違いとは?正しい見分け方と治療法を解説
夏になると「汗をかくと肌がかゆくなる」「赤いブツブツができた」というお悩みで来院される患者さんが急増します。多くの方が「あせもかな?」と思われていますが、実は「あせも(汗疹)」と「汗かぶれ(汗性湿疹)」は原因も治療法も異なる別の病気です。
今回は、この2つの違いと正しい対処法について詳しく解説します。
「あせも(汗疹)」とは?汗の出口がつまって起こる病気
あせも(医学用語では「汗疹(かんしん)」といいます)は、大量の汗をかいたときに、汗の通り道(汗管)がつまってしまうことで起こります。
本来、汗は皮膚の表面に出て蒸発しますが、汗管がつまると汗が皮膚の中にたまってしまい、炎症を起こして小さなブツブツができます。
【あせもの特徴】
- 小さな水ぶくれや赤いブツブツがたくさん密集してできる
- 汗をかきやすい場所(首まわり、肘や膝の内側、背中、お腹まわり)に多い
- 赤ちゃんや子どもに多いが、大人にもできる
- 軽いものはかゆみがほとんどないこともある
あせもには、重症度によって3つのタイプがあります。
- 水晶様汗疹(すいしょうようかんしん):透明な小さな水ぶくれ。かゆみはほぼなし
- 紅色汗疹(こうしょくかんしん):赤くてかゆいブツブツ。最も多いタイプ
- 深在性汗疹(しんざいせいかんしん):皮膚の深い部分でつまる。日本では稀
「汗かぶれ(汗性湿疹)」とは?汗の成分による「かぶれ」
一方、汗かぶれ(汗性湿疹)は、汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が皮膚を刺激して起こる「接触皮膚炎」の一種です。
わかりやすく言えば、汗が皮膚についたままになることで起こる「汗によるかぶれ」です。
【汗かぶれの特徴】
- 赤み、かゆみが広い範囲にベタッと広がる
- 皮膚がガサガサしたり、ジュクジュクすることも
- 汗がたまりやすく蒸れやすい場所(下着のライン、ウエストまわり、太ももの内側)に多い
- かゆみが強く、掻くことでさらに悪化しやすい
あせもと汗かぶれの見分け方
見た目が似ているため混同されやすいですが、以下のポイントで見分けることができます。
| あせも(汗疹) | 汗かぶれ(汗性湿疹) | |
|---|---|---|
| 原因 | 汗管のつまり | 汗の成分による刺激 |
| 見た目 | 小さなブツブツが密集 | 赤みが広範囲に広がる |
| 境界 | 一つひとつの発疹がはっきり | 境界があいまい |
| かゆみ | 軽度〜中等度 | 強いことが多い |
ただし、実際には両方が同時に起きていることも多く、自己判断が難しい場合もあります。
それぞれの正しい治療法と予防のポイント
【あせもの治療】
軽症であれば、涼しい環境で過ごし、肌を清潔に保つことで自然に治ることも多いです。かゆみや炎症が強い場合は、ステロイド外用薬を短期間使用します。かゆみ止めの飲み薬を併用することもあります。
【汗かぶれの治療】
汗かぶれは「かぶれ(湿疹)」ですので、ステロイド外用薬による治療が基本です。症状の程度に合わせて適切な強さのステロイドを選び、しっかり炎症を抑えることが大切です。保湿剤で皮膚のバリア機能を整えることも重要です。
【共通する予防のポイント】
- こまめに汗を拭く:濡れタオルやボディシートでやさしく押さえるように拭く
- 通気性の良い服を選ぶ:綿素材や吸汗速乾素材がおすすめ
- シャワーで汗を流す:外出後や運動後は早めに汗を洗い流す
- 保湿で肌を守る:バリア機能を保つことで刺激を受けにくくなる
- エアコンを適切に使う:室温を調整して過度な発汗を防ぐ
特に汗かぶれを繰り返す方は、普段からの保湿ケアが予防につながります。
市販薬で治らない場合は早めに皮膚科へ
「あせもだと思って市販薬を塗っていたけど治らない」という方は、実は汗かぶれだったり、他の皮膚疾患(あせもをこじらせた細菌感染、アトピー性皮膚炎の悪化など)の可能性もあります。
自己判断で市販薬を使い続けると、かえって症状が長引いたり悪化することもあります。1週間以上改善しない場合や、症状が広がる・ジュクジュクするなどの場合は、早めに皮膚科を受診してください。
当院では、症状を丁寧に診察し、あせもと汗かぶれを正確に見分けた上で、お一人おひとりに合った治療をご提案しています。夏の肌トラブルでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
さくら皮フ科・形成外科(品川区武蔵小山)
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