
にきびの原因と治療法/武蔵小山の皮膚科・美容皮膚科
🌸さくら皮フ科・形成外科です🌸
「にきび」(正式名称:尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう))は、
毛穴に皮脂が溜まり、そこに細菌が繁殖して炎症を起こす皮膚の慢性疾患です。
単なる「肌荒れ」や「青春のシンボル」と思われがちですが、
医学的には適切な治療が必要な皮膚病の一種です。
その発症メカニズム、進行段階、原因、そして医学的な治療法について詳しく解説します。
●にきびができる要因とメカニズムは?
①皮脂の過剰分泌
思春期のホルモンバランスの変化(アンドロゲンの増加)や、ストレス、
睡眠不足、食生活の乱れなどにより、皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されます。
②毛穴のつまり(角化異常)
肌のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れると、毛穴の出口の角質が厚くなり、毛穴をふさいでしまいます。
これにより、過剰に出た皮脂が外に出られず、毛穴のなかに溜まります。
③アクネ菌の増殖と炎症
毛穴に皮脂が溜まると、皮膚の常在菌「アクネ菌(Cutibacterium acnes)」が異常に増殖します。
アクネ菌が皮脂を分解する際に生じる物質や、菌に対抗しようとする免疫反応によって炎症が引き起こされます。

●にきびの進行段階は?
にきびは症状の進行度合いによって、以下のように分類されます。
早期の段階で治療を開始するほど、痕(痕)を残さずにきれいに治る確率が高くなります。
| 段階(通称) | 医学的名称 | 特徴と状態 |
| 白にきび | 閉鎖面皰(へいさめんぽう) | 毛穴が閉じ、皮脂が詰まって皮膚がプツッと白く盛り上がった初期状態。炎症はまだ起きていません。 |
| 黒にきび | 開放面皰(かいほうめんぽう) | 毛穴が開き、詰まった皮脂や角質が空気に触れて酸化し、黒く見える状態。 |
| 赤にきび | 炎症性丘疹(えんしょうせいきゅうしん) | アクネ菌が増殖し、赤く腫れて炎症を起こした状態。痛みを伴うことがあります。 |
| 黄にきび | 膿疱(のうほう) | 炎症がさらに進み、中心部に黄色い「膿(うみ)」が溜まった状態。皮膚の深い層(真皮)までダメージが及び始めています。 |
●にきびの治療は?
現在のにきび治療は、「今ある炎症を抑える治療(急性期治療)」だけでなく、
「新しいにきびを作らせない治療(維持療法)」を組み合わせるのが世界的な標準となっています。

*画像はマルホより
①毛穴のつまりを改善する薬
・アダパレン(ディフェリン)
→ビタミンA誘導体(レチノイド)に似た作用を持ち、角質が厚くなるのを抑えて毛穴の詰まりを取り除きます。
・過酸化ベンゾイル(ベピオ)
→強力な酸化作用でアクネ菌を殺菌すると同時に、ピーリング作用で毛穴の詰まりを改善します。
・エピデュオ
→ディフェリンとベピオの合剤になります。
ベピオやディフェリンでもニキビの改善が乏しい場合に
処方することが多いです。
②にきびの菌を殺す塗り薬
クリンダマイシン(ダラシン)やオゼノキサシン(ゼビアックス)など、
赤にきびの炎症を速やかに抑えるために使用されます。
③にきびの菌を殺す飲み薬
炎症が強い赤にきびや黄にきびが多発している場合、
テトラサイクリン系(ミノサイクリン、ドキシサイクリン)やマクロライド系などの
抗生物質を短期間内服します。
④漢方薬
体質改善や皮脂分泌のコントロールを目的に、
清上防風湯、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などの漢方薬が補助的に処方することがあります。
⑤イソトレチノイン
イソトレチノインは、主に重症のニキビや、従来の治療法では改善しなかった難治性のニキビに対して
非常に高い効果を発揮する、ビタミンA誘導体の内服薬(飲み薬)です。
*保険適応外のため自費診療になりますが、
有効性が非常に高いためおすすの治療です。
●膿のあるにきびが触らない方がいいの?
膿のあるにきびは放置せずに、クリニックで面皰圧出をしましょう。
放置していると、ニキビ痕の赤みや凹みになるリスクが高くなります。
●日常生活での注意点は?
①正しい洗顔: 1日2回、洗顔料をしっかり泡立てて、手が直接肌に触れないよう優しく洗います。
②潰さない: 自分で白にきびや黄にきびを潰すと、周囲の組織まで破壊され、
細菌が奥に押し込まれて悪化・にきび痕の原因になります。
医療機関では専用の器具を用いた「面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)」を安全に行うことができます。
③ノンコメドジェニック製品を選ぶ: 化粧品や日焼け止めは、にきびのもと(コメド)になりにくいことがテスト確認されている
「ノンコメドジェニックテスト済み」の表記があるものを選ぶと安心です。
参考サイト・文献
日本皮膚科学会:尋常性ざ瘡ガイドライン
https://www.google.com/search?q=https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/acne_guideline2023.pdf
さくら皮フ科・形成外科 院長 野村知宏

